アメリカで働く社長インタビュー
AIT work abroad
#016 アメリカ・カリフォルニア
Lawyer Mr.Peter Langenberg
ヒューズハバード&リード法律事務所
ピーター・ランゲンバーグさん

ピーター ランゲンバーグさん

ヒューズハバード&リード
法律事務所

弁護士
ピーター・ランゲンバーグさん

1972年プリンストン大学卒業後、豊田通商株式会社ニューヨーク支店へ入社し、1年間日系商社のビジネス経験を積む。 73年よりUniversity of California, Hastings College of the Lawに入学し、76年にアメリカの司法試験に合格、77年1月にカリフォル二ア州の弁護士資格を取得。 その後、(現)Baker&McKenzie東京事務所にて4年ほど勤務後、ロサンゼルスに帰国。 ヒューズ ハバード&リード法律事務所にて弁護士として活躍され現在至る。

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アメリカ社長インタビューバックナンバー
 
ゴールにたどり着くまでの戦略を建設的に考えていく過程が面白い。日本人は遠慮の文化、思いやりの文化があっていいですね。
 
何故、日本語を学ぼうと思われましたか?

本格的に 日本語を勉強したのはプリンストン大学でしたが、そもそも興味を持ったきっかけは、アメリカ海軍にいた頃です。 当時、ベトナム戦争の時代で、できれば陸軍でなく海軍に入りたかったのです。その前から語学に興味がありまして、ロシア語を勉強していたので、海軍でロシア語通訳をしていました。そんな中、当時のソ連の極東艦隊のラジオを聴くために、日本に派遣されることになったのです。日本では厚木の海軍基地で駐在していました。 その当時、日本語を勉強している人はあまり他にはいなかったですし、日本は敗戦国で貧乏な国だと思っていましたから、66年に日本へ行ったときには、何もかもが想像を超えていて本当に驚きました。

Hughes Hubbard and Reed

日本で働かれた経験がおありですが、日本とアメリカで職場などの環境の違いはどんなところでしょうか?
いろいろな面で違うと思いますが、まずは生活スタイルが違います。 日本は特に住宅は狭く、コーヒーを飲むとかお酒を飲むとか、友達と会うとかそういったことを外でして、家では寝るだけというイメージですが、アメリカでは家で過ごす時間が長いと思います。特に東京は大都会ですから、満員電車にしても人の多さにしても、始めはとても圧迫感がありましたが、半年で慣れました。日本は食事がおいしいですし、安全な国ですね。それから、他人に対する配慮があると思います。気配りというものでしょうか。アメリカでは自己主張をする人が割りと多いですが、日本人は遠慮の文化、思いやりの文化があっていいと思います。それは、仕事の面でもあらわれていると思います。 仕事に関していえば、日本人は仕事が正確です。時間にも正確ですが、時間を売るのが弁護士の商品ですから、時間はお金であるという価値観は、もしかしたらアメリカの方がシビアかもしれません。
 
弁護士のお仕事について、日本とアメリカの違いはどのようなところでしょうか?
この弁護士事務所は、全米で320人ほど弁護士がいて、アメリカ全土をカバーしていますが、ビジネス法の案件が多い事務所なのです。 取引上の問題解決、会社の設立、解散、会社の売買、従業員の雇用法、労働法、知的財産権、商標、特許、不動産取得、破産法、会社の編成、それから訴訟、税法を担当しております。依頼者は企業がメインになります。最近はPL訴訟が多いです。とある製薬会社の訴訟を弁護したケースもありました。そのときは莫大な額の損害額になりました。その際には被告側になりますね。この事務所では被告側の弁護をするケースが多いです。 私の担当しているクライアントは日本企業が主です。 日本ではあまり訴訟はありません。法的な救済方法はありますが、友好的な関係を作る為にネゴをするのが日本的やり方ですね。アメリカは法律の力が強いですから、裁判官の命令は絶対で相手に対する執行能力は高いです。そういうわけで、対立的な態度なので、契約書が非常に重要になってきます。自分のクライアントのアドバンテージがあるところがあれば、最初に取ろうとします。相手の立場は余り考えないで、クライアントが有利となるように強く交渉していく能力が必要となります。 。  
Hughes Hubbard and Reed 法律事務所
日本人がアメリカの法律事務所で働くのにどういうスキルが必要とされますか?
日本の事務所は、非常に家族的な感じがしましたが、アメリカの事務所では個人主義という雰囲気が強く、一人一人にかかるプレッシャーが大きいです。ですから、始めは少し孤独に感じることがあるかもしれませんね。 アメリカ人は従業員の能力を低く評価する場合は、クビにすることはよくあります。そういった意味でいつもプレッシャーを感じると思います。 日本人は何ができるかということになりますと、翻訳と通訳のお仕事がメインになりますが、単に語学の通訳だけでなくて、アメリカの習慣や文化などを伝えることが求められると思います。いずれにしても語学は必須だと思います。 また、わからない問題があった場合は、すぐに人に聞かないで自分の能力と自分の力で解決する能力が非常に求められていきますね。もちろん最終決定は上のものが行いますが、そこにいたる過程でいかに自分が沢山問題を解決できるか、ということがアメリカで働くにあたって非常に重要になります。 もうひとつの違いは、アメリカの従業員は自分のやりたいことを主張することが多いですが、一般的に日本人はそういう点が少し弱いので、もう少し強く自分から積極的に意見を主張していく必要があります。
Hughes Hubbard and Reed 社内風景
お仕事をされていて、よかった点、やりがいを教えてください 
まず、弁護士の仕事は、ある程度は、知性を使うお仕事ですから、そこの点が非常に面白いですね。法律はいつも変っていきますので、常に研究・勉強をしていかないといけません。 もっと面白いのは、依頼者のリクエストからゴールにたどり着くまでの戦略を建設的に考えていく過程が非常に面白いですね。 私はあまり訴訟はしませんが、訴訟自体の手続きもエキサイティングですね。訴訟の当事者は非常にかわいそうですが・・。弁護士倫理のわからない弁護士を相手にすると、怒ったり、大きい声を張り上げるケースもありますね。できるだけ感情を出さないで冷静にやっていくというのが私のやり方ですね。それが一番効率的なやり方だと私は思っています。
では私生活について教えてください。
自宅はパサデナにあります。私は子供が2人いますが、もう社会人になっていますので、子育てはしなくてもよいですね。いつも仕事が忙しいので・・・うーん・・・、趣味といえば、睡眠かなぁ・・(笑) なんて、それは冗談ですけども、私は山や自然に行くことが好きですね。トレッキングにいって、大自然の中でゆっくりとするのが私の息抜き方法ですね。自宅の修理も自分でやったりして休日を過ごしたりもしますね。別に大工仕事が好きというわけではないですけれどもね。

ピーター ランゲンバーグさん

ビーターさんの今後の展望をお知らせ下さい。

 引退まではやっぱりこの事務所にいると思います。この事務所の展望としては、私のやる案件の数を増やしていく、というのが私の今後の目標ですね。 引退をしたらゆっくり日本に観光をしていきたいですね。まだ、引退の話をするのは早いですけれどもね。

 

リポーター感想

ダウンタウンの超高層ビルにあるオフィスは、360度絶景が見下ろせる素晴らしい環境でした。ピーターさんは、声を荒げることは一切なく、終始温和で丁寧にお話をされる、まさに紳士でした。日本語が流暢であるだけでなく、敬語の使い方や言い回しなども綺麗で、人柄が表れていました。アメリカで働く日本人という通常のインタビューとは異なり、日本で働いていたアメリカ人ということで別の角度からお話を聞けて貴重な時間になりました。 ありがとうございます。

 

Hughes Hubbard and Reed